機内食にコオロギ粉 ハンバーガーとパスタ 環境負荷低減へ 成田・ジップエア 【SDGsちば】
今日のシンブンから

『日本航空傘下の格安航空会社(LCC)「ジップエア トーキョー」(成田市)は7月から、食用コオロギの粉末を使った機内食を販売している。高タンパク質であり、家畜と比べて飼料の消費や温室効果ガスの排出量が少ないことがメリットで、同社はSDGsへの取り組み強化の一環としている。』を読んで。
ジップエアトーキョー。
2020年に営業を開始したばかりの新しい航空会社で、日本航空の100%出資子会社です。
コロナ感染の緊急事態宣言明け直後に営業を開始したので、機体を見かける機会はあまり多くないのかもしれません。
食用コオロギ。
1キロのタンパク質を生産するために必要な飼料は牛10キロに対してコオロギ1.7キロ。
コオロギは雑食なので、捨てられるはずだった食品を飼料として循環させることができます。
この循環は、サーキュラーフードと呼ばれる取り組み、SDGsの目標のひとつ「つくる責任 つかう責任」に通じます。
また、体重あたりの温室効果ガスの排出量は牛2,800グラムに対してコオロギ100グラムと、SDGsの目標「気候変動に具体的な対策を」とも合致します。
地球に優しい、まさにこれからの食材になるコオロギですが、分類すると「虫」になるなわけで、口に入れるとなると少なからず抵抗を感じる人はいると思います。
私もそのひとり・・ですが。
現状の扱いは代替食材。コオロギを食べなくても生きていけます。
将来、コオロギを食べないといけなくなる日が来るの?という人が大半だと思いますが、現代人が今の生活を続けていると、やや現実的なのかもしれません。
『欧米で熱波、被害拡大 英史上初40度超 火災発生も』で触れた『気温が2度上がる世界』。
このまま地球温暖化に対してなんの対策もなく生活をし続けていると「生物の最大3割の種が絶滅の危機」が予想されていて、その3割に普段食べている「牛、豚、鳥、魚」が含まれるとなると食卓に「虫」が並ぶのかもしれませんね。
何もしなければ西暦2100年頃に地球の気温は2度上がってしまうペースのようです。
解決するには時間がないかもしれませんが、次世代のためにも私たちが努力していかないといけないなと、強く思います。
『西田真吾社長は「積極的に進めてきたSDGs推進に向けた新しい取り組みを見てほしい」と話した。』とあります。こういった取り組みは、企業姿勢や企業イメージを上げ、結果的に業績、人材確保や働く人たちの意識に跳ね返ってきます。
ただし、「なぜ自分たちはこの取り組みをしているのか。」をていねいに伝えていく必要があります。 伝わらなければただの一情報。記憶には残っていきませんからね。
実際、『高タンパク質であり、家畜と比べて飼料の消費や温室効果ガスの排出量が少ないことがメリット』とか『世界的な人口増に伴う食糧不足が懸念される中』と言われても今の日本人でどのくらいの人がピンとくるのか・・なんですよね。
なぜ、たんぱく質を虫に頼るのか。その根拠を示さないと「私は虫は嫌い」と一蹴されてしまいます。
なぜ、温室効果ガスを減らさないといけないのか。その証拠なり現実を示さないと「誰かがやるでしょ」という思考になりかねない。
なぜ、食糧不足の準備が必要なのか。その理由が明確でないと「うそでしょ」と。
その取り組みの「なぜ」に対する答えをていねいに見せていかないと、ただの社会貢献に見えてしまいます。
あぁ素晴らしい取り組みですね・・。と。
そうならないためにもSDGsの取り組みを戦略的広報にしていく。企業にとってこれからの情報戦ですね。
戦略的広報に関していつでもご相談ください。
さて、今日もがんばろ!