チバデジコラム

デジタル賃金 来月4月解禁 決済アプリ上限100万円(キーワードはデジタル賃金)

今日のシンブンから


『「ペイペイ」や「楽天ペイ」といったスマートフォンの決済アプリなどを使い、賃金をデジタルマネーで支払う制度の解禁に向け、厚生労働省は26日の審議会で、関連する省令の改正案を了承した。改正省令は2023年4月に施行され、事業者を審査した後、実際の運用が始まる見通しだ。賃金の支払先となるアプリの口座残高は上限100万円で、労働者はそのまま買い物や家族への送金に利用できるようになる。』
(オンライン非掲載)

おはようございます。
今日のキーワードは「デジタル賃金」です。

電子マネーで小銭の出し入れ不要!なんて言ってたのは数年前。各社でさまざまなキャンペーンが展開され、シェア争いしてましたね。
で、とうとう給料が電子マネーで支払われるかもしれない、と。
時代ですね。

労働基準法24条の賃金支払いに5原則があります。
・通貨(現金)支払いの原則
・直接払いの原則
・全額払いの原則
・毎月1回以上の原則
・一定期日払いの原則


今主流になっている銀行振込は現金払いの原則に反していますが特例として認められています。
おそらくその時代に合わせて加えられたんだと思われ。今回のデジタル賃金も特例に加えられるのかと。

銀行振込の場合、会社から従業員の銀行口座に賃金が振り込まれます。
そこから住宅ローンやクレジットカードの引き落とし、現金の引き出しなどが行われています。
銀行はその支払い先情報は把握していますが、まぁその程度。現金を引き出されてしまったら何に使ったのかまでは把握しようがありません。もちろんクレジットカードの支払いも使途までは把握できません。

デジタル賃金の場合はどうでしょう。
スマホに表示されている残高分、現金化せず直接支払いができてしまいます。と、同時に決済された場所情報がペイ事業者が把握します。
しばらくするとこの人はどこでお金を使いがち、という傾向を分析することができます。使う場所が特定できるということはその人の行動半径も把握できることになり、それら行動情報がペイ事業者の手中に入ることになります。

先んじて利用者の行動情報を把握しているグーグルなどのネット事業者は、利用者の行動情報をもとに、本人に気づかれず選ばれた情報を露出しています。
意図して操作してるつもりでも結果を表示するのはグーグル側。利用者の興味を引きそうな情報を出すことで利用者の行動や印象に変化を与えています。

デジタル賃金が普及する=普及した分ペイ事業者に利用者の行動情報が蓄積されることになります。
国民の行動をペイ事業者が把握するのを国が後押しする、そんな構図のようにも見えなくもないですね。
そうではないと思いますが。

利用者の行動が把握されると・・。

例えば、旅行に行ったとします。
旅先で「おいしいお店がありますよ」とスマホに通知が届き、そこを利用し食事を終えペイ決済を済ませると「ポイントが付与されました」と通知が届き、見るとそのポイントが使える「周辺のコンビニが表示」されています。近くのコンビニに寄ってポイントを使ってコーヒーを無料で飲んでいたら、近くの「おみやげ屋のクーポンが付与」され、お得におみやげが買えてしまった!

なんて、ことが普通になるかもしれません。
行動を把握されてると聞くとちょっと気持ち悪いですが、お得な情報が提供されるとなると話は別、ちょっと嬉しくなります。

今後、広告のあり方が変わってしまうかもしれませんね。

広告はざっくり、物量主義の昭和の頃のマス広告、消費者を分類して効率を高めたダイレクト広告、行動パターンにより広告を露出するネット広告へと進化してきました。
で、数年後には個人の行動タイミングにあった通知広告が体系化されるかもしれません。
技術的にはすでに実現されてるんで。

既にグーグルなどのネット事業者は生活の中にぎゅっと入り込んでるんで、もう慣れるしかないかもしれません。

ここはストレスなく生活しましょ。

さてと、今日もがんばろ!
よい1日をお過ごしください。