チバデジコラム

2030年に荷物35%運べず 物流残業規制で人手不足 千葉も全国並みの影響

今日のシンブンから


『野村総合研究所は28日までに、トラック運転手の残業規制強化で人手不足が予想される「2024年問題」の影響で25年には全国の荷物総量のうち約28%、30年は約35%が運べなくなるとの推計を公表した。千葉でも全国並みの影響が出ると予想される。料金の割り増しや運送頻度の低下につながる恐れがある。人口密度が小さい地域では、現在の離島のように扱われる可能性も出てきた。
推計は将来の荷物総量と、規制強化された場合の運転手数をそれぞれ算出。対策を講じなければ、どれぐらいの荷物が運べなくなるかを計算した。また、地域別の数値も国土交通省地方整備局の管轄に応じて調べた。千葉では25年に約27%、30年には約33%が運べなくなる見通し。』

今朝の千葉日報から。
https://www.chibanippo.co.jp/news/economics/1022145

おはようございます。

1/3の荷物が届かなくなってしまうとは・・。
なんと・・。

2024年問題とはトラック運転手の残業の上限を年960時間に規制するという法律の適用からくる諸問題のこと。
物流企業はトラック運転手を働かせ過ぎだ、ということなんだと思います。
悲惨なトラック事故も目につきますし、残業が常態化してるのはやはり、見過ごすことはできなかったんでしょう。

この原因のひとつと言われていた高速道路の深夜割引の運用方法も変わるようです。

今の運用方法だと割引の適用のため、SAやIC周辺道路にトラックを停めて時間調整をするという現状があり、問題視されています。
この運用方法は、直接的にトラック運転手の拘束時間を増やすことにつながっています。

来年に向け深夜割引の運用方法が緩やかになるようで、トラック運転手にとっては生産性のない無駄な拘束時間が減ることになると思います。

とはいえ現実問題として、一見無駄に見える拘束時間は、そのままトラック運転手の給料に反映します。
当然、今の給料をベースに生活していた運転手の家庭にはかなりダメージがあると思われます。
昨今の物価高もありますし、転職者が増えるなんてことにならなければいいのですが・・。

物流事業者にとっても運転手が残業してくれる前提で経営してたと思われ、約1年後には体制変更をせざるを得ないわけで大変だと思います。
ただ、5年の猶予期間が与えられていたので言い訳することはできませんが・・。



2021年の荷物数は49億個超だったそうです。おそらく2024年の荷物数はこの数字を超えていると思われますが、仮に50億個だとすると、運びきれない35%の荷物は17.5億個になります。
宅配料金を1,000円としても1兆7500億円規模の市場が宙に浮きます。

ちなみにみんなが大好きラーメン店の市場規模は、約6,000億円(2016年)なので、単純な比較はできませんが、約3倍の市場が見えてきます。

もしかしたら新たな物流インフラができるのかも・・。

まぁ既存モデルがあるので幅広にいろいろと考えられます。
一時預かり分野は既にビジネス化もされていますし、どんどん増えています。
それ以外の分野を見つけていける参入障壁が低い数少ない分野なのかもしれません。

新たな事業を模索している方や起業家にとってはチャンスかもしれませんね。

千葉日報ビジネスパートナーズでもこの分野の情報を集めています。ぜひご一緒にいかがですか?

さて、今日もがんばろ!



参考

NEXCO東日本│高速道路の深夜割引の見直しについて
https://www.google.com/amp/s/www.e-nexco.co.jp/amp/pressroom/head_office/2023/0120/00012198.html

国土交通省│令和3年度 宅配便取扱実績について
https://www.mlit.go.jp/report/press/jidosha04_hh_000255.html

J-Net21│ラーメン店
https://j-net21.smrj.go.jp/startup/guide/restaurant/food08.html