【市原商工会議所:市原未来創業プロジェクト①】ビジネスオーディションを経て、飛躍のきっかけをつかんだ6事業者。その舞台裏にあった、千葉日報デジタルによる充実のサポート体制とは?

コンサルティング


千葉日報デジタルと市原商工会議所のコラボレーションで進められてきた、創業者支援の新事業「市原未来創業プロジェクト」。その総決算のイベントが、202210月に開催されたビジネスオーディションです。

多種多様な事業を志す6事業者が、3ヶ月あまりをかけて自らの事業をブラッシュアップし、プレゼンテーションを行いました。

今回は、当オーディションに参加した4名の方にお集まりいただき、プロジェクトへの参加で感じたメリットや、今後の展望を掴むきっかけとなったサポート体制など、ざっくばらんに語っていただきました。

【ビジネスオーディション参加者4名】
Guuu animal chalk art代表・坂本沙矢加さん 《「おもてなしアート」で集客・接客向上》
ライフデザイン事務所代表・村山寛樹さん 《人事の力で業績アップ!》
花澤基工代表・花澤俊之さん 《木こり花澤 山を守る地域密着型SDGsビジネス》
ユニペン代表取締役・石井亮介さん 《日本初、高性能ベビー向け製品を発表!》

 

様々な事業の種と思いを胸に、市原市「市原未来創業プロジェクト」がスタート



––––新規創業者や事業転換者を対象に、20227月から始まった本プロジェクトですが、参加したきっかけを教えてください。

ユニペン代表取締役・石井亮介さん
市原商工会議所さんから連絡をもらった時には、SDGsに関係した企画だと勘違いしていました。行ってみると他の参加者は創業したての方がほとんどで、場違いかなとも思いましたが、皆さんと知り合いになりましたし、その環境で数ヶ月一緒にやってみようと取り組みました。

Guuu animal chalk art代表・坂本沙矢加さん
私は2022年の5月に創業したての時期で、今後市原でどういう活動をすれば良いかを市原商工会議所さんに相談している最中に、「オーディションには色々な方が集まるので勉強になるのでは」とお誘いいただきました。

花澤基工代表・花澤俊之さん
開業のきっかけは、2019年の市原商工会議所さんの創業スクールへの参加です。事業の準備をしていたところコロナ禍に遭って、2020年は営業活動がスムーズにできませんでした。そんな時に、デジタルマーケティングを含んだビジネスオーディションという企画を知って、心機一転して動き始めるには良いポイントになるのでは、と思って参加しました。

ライフデザイン事務所代表・村山寛樹さん
私は2022年にサンプラザ市原で行われた市原商工会議所さんのSDGsのイベントに出席していました。そこで、今後はビジネスピッチも実施すると伺って、これはチャンスだと思い自ら参加をお願いしました。
(※以下、敬称略)

 

活発なディスカッションで得る、自らの強みと弱み

––––本プロジェクトは、伴走型の事業のブラッシュアップが特長でした。ディスカッションも盛んに行われたようですが、参加したことによる気づきやプラス面はありましたか?

花澤
自分の得意な設計技術は、精密板金といった細かい図面を描くことで、そこを打ち出す考えでした。一方で、家業は代々受け継いできた“木を切る技術”です。

これは地元でも需要があって、特殊な技術を持った木こりだという話をしたら、千葉日報デジタルさんからは「木こりで行きましょう!」と後押しがありました。色々な工事の請負をする中で、自分の伐採や木こりの技術をもっと押し出した方がウケが良いのではと、見出していただきました。



坂本
この企画を通して、普通に営業活動をしても絶対に会えない、話す機会がないだろうという業種の方々と知り合えたことが財産です。また、様々なプログラムを一緒に受講する中で、他の業種から見るとこういう部分がビジネス的に活かせるよ、など多くのアドバイスを頂けたことが本当にプラスでした。

石井
当社は塗装、塗料で45年以上やってきた企業で、私は先代を継いで10年近くになります。この企画のために、新しい技術で作った遮熱シートを持ってきました。業界的には今までにない動きで面白いだろうと思いましたが、メディア的には特に目新しさがないと指摘されました。個人的には受ける感触があったので、このギャップはショックでした。

村山
プラス面の一つは、自分の仕事を認知していただけたことです。実際に市原市役所の職員の方に、オーディションの一週間ほど前にSNSでメッセージをいただいたり、元から繋がっている方も「村山って意外に喋れるんだ」と分かってもらえたりといったプレゼン効果があったと思います。

 

千葉日報デジタルによる親身なサポートで、事業内容が先鋭化

 ––––ビジネスオーディション本番に向けては、デジタルマーケティングワークショップ、個別相談、プレゼン対応レッスンと3つの準備段階が設けられていましたが、その期間のサポートで役に立ったことはありますか?

石井
最初のワークショップでは皆で集まって、自己紹介に互いの事業や経歴を発表する場がありました。そこで出てきた話の中から事業の種を深掘りして、その後個別相談に進みます。自分で考えていたアイデアは、遮熱シートを工場の屋根に取り付けるBtoBビジネスでした。

しかし、ワークショップや個別相談の中で、インパクトを踏まえると「BtoCへの転換」だろうと。私たちは95%がBtoBでやってきた会社だったので、これをBtoCに活かすにはどうすべきかを打ち合わせの中で話し合って、ベビーカーへの転用にたどり着きました。自分の考えが変わっていく過程が面白かったです。



坂本
私のチョークアートは手書きで、制作にも時間がかかるため、そもそもビジネスやお金にしづらい職業形態です。2回のワークショップを経た後も、ビジネスへのうまい転換方法が自分の中で見えませんでした。

流れが変わったのは、千葉日報デジタルの方々と個別相談をした後です。雑談のように私の過去の話から今の気持ちまでをフランクに話し、出てきたワードをアイデアとして引き出してもらう中で、徐々にビジネスにできるかもしれない感触が得られました。

特に飲食店や企業受付に設置する「おもてなしアート」を、月額利用で貼り替え対応できる、サブスクリプション型のモデルにしようというご提案は衝撃でした。このアイデアが出た時の「これしかない!」という盛り上がり感は忘れられません。本当に一人だったら思いつかなかったアイデアです。



花澤
自分の場合は業務内容の引き出しが多すぎたようで、最初に千葉日報デジタルさんに「もっと絞りましょう」と言われました。そしてどんどんフォーカスしていって、「切る」だけのプレゼンで8分は長いなと。

そこで自分たちがやっている、ロープで登って木を切るロープアクセスや特殊伐採の手法を、現場で撮った写真を繋いで動画にしようという流れができました。そうすれば話して説明するよりも、皆さんにより理解してもらえます。

あとは、木を切っていますだけで終わらないように、伐採工事の単価設定や森林の継続管理の提案など、ビジネス部分のモデルプランをキャッチボールしながら構築してもらいました。脱線しそうになると、的確に本線に戻していただいたことが印象深かったです。



石井
実際に木の上で作業されている花澤さんの視点で撮った動画は、こんなに高いのかとインパクトがありましたね。デジタル化のおかげだと思います。

村山
花澤さん同様、私もたくさん言いたいことがあったため、内容の取捨選択に感謝しています。皆さんもおっしゃっていましたが、すごく和やかな雰囲気で会話ができて、プレゼンもディスカッション形式で組み立てられたのが、とてもやりやすかったです。

あとは、プレゼンを組み立てる時の考え方なども教わって、自分の武器が増えた実感があります。今回のオーディションの観覧者の年齢層、人数、会場の雰囲気などを踏まえて、いきなり人事支援の内容を説明するよりも「人事の悩みってありますよね」という投げかけから始めるなど、導入部分のレベル感まで緻密にシミュレーションしました。

プレゼンの練習は4日間ありましたが、これが12日間であればおそらくここまで完成していなかったと思います。本当に濃厚で、有意義な3ヶ月間でした。

 

多くの反響を力に変えて、新たなビジネスと地域貢献に踏み出す

 ––––今回の経験を、今後のビジネスにどのように活かそうとお考えですか?

村山
これまでは人事のサービス業、コンサル業と実務の代行をしていましたが、ビジネスオーディションを通して、講師として話すことで自分の価値提供に繋げたい気持ちが芽生えました。

これはプレゼンの考え方やどう相手に伝えるかなど、オーディションで学ばせていただいた知識を使いたいなと思っています。既に営業は始めていますが、その際にもYouTubeのビジネスオーディションのチャンネルリンクを申込書に添付して、活用させてもらっています。



石井
私も本番の模様をYouTube配信で流すなど、デジタルツールを駆使した施策は面白いと思いました。今回の製品ではベビーカーへの取り付けを想定していますが、遮熱剤のメーカーも発表の配信を見てくれていたようで、収縮性や耐久性といった残りの実験には前向きです。

ただし、発表終了後に問い合わせが来たのは屋根に取り付ける方でした。これはある意味、当初の思惑は間違いではなかったということです。お客様に関心を持っていただく目的は達したのかなと、反響自体はとても嬉しかったです。



花澤
オーディションが終わった後に、林業の世界がわかったとか、入り口として勉強になりましたと言ってくれる方がいて、設計ではなく「木こり」でピックアップしてもらって正解でした。それに加えて現在、特殊伐採の世界では挑戦的な若手が全国的に増えています。そういった方々に、チェーンソーで木を切ることを入り口に林業の勉強をしてもらいたいです。

林業は業界的にはニッチなので、特殊伐採をアピールすることで、造園業者の「剪定から伐採へ」の流れが作れればいいなと思います。林業に流入する人材が増えれば森林の整備にもつながりますし、これは少し大きな夢ですが、見放されつつある地方の魅力が再発見、活性化されるのではと期待しています。

坂本
今回のオーディションを通して、私が思ってもみなかったアイデアや、逆に私がやりたかったアイデアの展開を示唆していただき、おかげさまで発表後には何件も手書き看板の引き合いをいただいています。加えて、街を活性化するのに手書きアートをお願いされたり、市原市内の高校で生徒さんたちに教えたりといったお話もいただいています。

私が発表したサブスクリプション型のモデルが広まれば、同じ業界の手書きアーティストさんへの活路にもなると思います。ビジネスに展開していくのと同時に、地域の方と老若男女を問わずに、自由な時間、息抜きの時間になるようにチョークアートを広めていく活動もしたいです。せっかく市原で活動しているので、いただいたアイデアは全て試してみて、地域に還元できれば嬉しいです。

––––ありがとうございました。


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