東京都に本社を置くシステム開発企業、大崎コンピュータエンヂニアリング(OCE)。千葉県内を中心に行政や企業向けの業務システムや情報通信インフラの構築を多数手掛け、現在は顧客向けのデジタル・トランスフォーメーション(DX)の推進に力を入れています。
近年は「お客様のDX推進には、まず自分たちから」との考えのもと、3つの重要戦略を立て社内のDX化にも力を入れ推進しています。社内DXの推進を統括する事業推進統括部NB推進室長の森雄介さんに、具体的な取り組みから社内に起こった変化、見えてきた課題を伺いました。
■社内DX推進へ、意欲的な取り組みが継続中
––––自社内のDXでは具体的にどのような取り組みをされていますか?
事業推進統括部NB推進室室長・森雄介さん(以下、敬称略)
当社は「信頼とサービスを基本にお客様の確かなDXを実現する」を経営ビジョンに掲げ、その実現のため「リアルタイム経営の実現」「非知的労働時間の削減」「DX実現に向けた人材育成、確実な品質向上」の3つを重要戦略としています。
「リアルタイム経営の実現」では、以前から使っていたグループウェアを今年刷新します。ポータルサイトを再構築したり、チャット機能を入れたりすることでワークフローを新しくして、これまでのスケジュール管理や会議室共有をする機能から、社内情報の流通を良くするような、情報連携基盤的な位置付けに再構築をしています。
2番目の「非知的労働時間の削減」では、RPA(Robotic Process Automation)の導入を推進し、社内活用しています。例えば、営業の原価管理は仕入元帳と原価計算書のチェック業務を、これまでは事務担当が行っていましたが、RPAの導入でソフトウェアロボットによって自動化しています。
3番目の「人材育成、品質向上」では、OCEアカデミーという教育訓練専門の部署を立ち上げました。これまでは営業・SE・工事と部門ごとに人材教育が完結していましたが、OCEアカデミーの設立により、職種の垣根を超えて共通して習得してもらいたいスキルを学べるようになりました。共通スキルの42講座は動画として作成し、教育サイト上で閲覧できるようになっていて、全社員に必ず受講してもらう形をとっています。
––––社内DXの推進によりどのような効果が出ていますか?
森
「非知的労働時間の削減」であれば、原価管理などの営業事務、仕入れ登録などの購買事務にRPAを使い始めたことで生産性の向上につながっています。
「DX実現に向けた人材育成、確実な品質向上」では、OCEアカデミーの設立により、DX推進に必要な人材育成や、個人のキャリアに応じた学び直しの機会の増加につながっていると思います。各部門のプロジェクトマネージャーやDXを牽引できる係長クラスの人材を「現在の2倍」にする目標を立てて、新しい講座を随時検討するなど継続的な取り組みを実践中です。
■ポイントは「情報の伝え方」。DX成功事例の積極的な発信へ
––––社内DXの実践による将来的な目標はありますか?
森
お客様にどうやって効果的に製品、サービスの情報を届けられるかがポイントだと考えています。まだ数は少ないですが、お客様がDXを進めたことによる改善事例や社内DXで効果的だった事例を、ホームページなどを通じてお客様にお伝えしていきたいと考えています。
こうした事例紹介などを通して、今後はより多くお客様のためになる話題をお届けすることが目標の一つです。それをご覧になったお客様から、新たな業務のつながりができれば嬉しいですね。
––––お客様に情報を伝えていくためにどのようなことに取り組んでいますか?
森
私の部門では当社のホームページをよりお客様にアピールする業務も行っています。先ほどのお客様や自社DXの事例紹介など、情報発信については2022年から千葉日報デジタルさんと連携して進めています。
例えば、ホームページの閲覧数を増やす目的でGoogle広告を打っていますが、私たちにはその達成数値が妥当なのかが今ひとつわかりません。そこで、毎月の閲覧数や改善策などにご意見をいただいています。また、ホームページ内の誘導動線やホームページで何を発信していくかなど、方針や目的まで含めた総合的なアドバイスを受けながら改善を進めています。
––––今後、情報発信でどのようなことに取り組んでいきますか?
森
ホームページのリニューアルを考えていますが、単に全体を作り変えるのではなく、お客様と直接つながるような仕組みを持った形にできればと考えています。
例えば、現在、お客様からいただいたアンケートなどのフィードバックはまだ集約しきれていない気がしています。フィードバックの方法も営業社員が現地に行ってヒアリングするスタイルが常です。
こうした部分についてもホームページをうまく活用できないかと考えています。ホームページが、お客様との接点を増やし、量・質ともに良質なコミュニケーションの窓口となるようなイメージです。こうしたリニューアル部分でも千葉日報デジタルさんにアドバイスをいただきたいと考えています。